ネットオークション利用者が自己破産する場合の注意点

過去にネットオークションを利用していた人が自己破産の申し立てを行う場合には、自己破産の申立書にその事実を記載しなければなりません。

なぜなら、ネットオークションを利用するということは、オークションに自分の持ち物を出品する場合には自分の財産を処分することにつながりますし、オークションで他の人の物を落札する場合には買い物をするのと同じことになりますから、自分の財産に関係がある事項として資産説明書(資産目録)に記載して裁判所(裁判官)に説明する必要があるからです。

また、ネットオークションで取引をする場合、銀行振り込みで代金の授受を行うことが一般的ですから、自分の保有する銀行口座の通帳に個人名での入出金記録が記載されるため、その入出金が誰からのものか(又は誰に対するものか)を裁判所(裁判官)に説明しなければならず、資産説明書(資産目録)への記載が必要となってきます。

そこで今回は、ネットオークションを利用している場合の自己破産申立書への記載方法や注意点などについて考えてみることにいたしましょう。

ネットオークションで商品を購入している(落札している)場合

ネットオークションで他人の商品を購入している場合(落札している場合)には、基本的に自己破産申立書の資産説明書(資産目録)に記載する必要はありません。

ただし、その購入した(落札した)商品が、売却すれば10万円以上(裁判所によっては20万円以上)になるようなものである場合には、その商品は「資産価値がある」と判断されますので、資産説明書(資産目録)の所定の欄に記載しなければなりません。

なお、資産価値のある商品の記載方法についてはこちらのページを参考にしてください。
≫ 資産目録の作成手順(12)20万円以上の財産の記載方法

また、これとは別に、オークションで商品を購入(落札)している場合には、その商品の出品者の氏名や、その出品者に支払った代金の金額なども別途上申書を作成して裁判所に提出する必要があります。

なぜなら、オークションで購入(落札)した商品の代金は通常、自分の銀行口座から直接振り込みの方法によって送金することが多いですが、その場合には通帳にその相手方の氏名と振込金額が印字されることになるからです。

自己破産の申立書には自信が所有している銀行口座の通帳の写しを裁判所に提出する必要がありますが、その通帳に個人名が記されている場合は、その個人に対する振り込みは、何を理由とするものなのかを裁判所(裁判官)が厳しくチェックすることになります。

個人に対する送金は、資産隠しや債権者一覧表に記載されていない債権者に対する借金の返済をしていることが疑われるため、裁判所も厳しく調査する必要があるのです。

そのため、オークションで購入(落札)した商品の代金を自分の銀行口座から直接振り込んでいるような場合には、申立書とは別に上申書を作成し、預金通帳に記された個人名への振り込みがオークションの代金の振込であることを説明しなければならなくなります。

なお、実際の上申書への記載例は後述します。

 

ネットオークションで商品を売却している(出品している)場合

ネットオークションに自分の持ち物を出品するということは、自分が所有する資産を処分するということになります。

そして、自己破産の申立においては、資産の処分については厳しくチェックされることになりますから、ネットオークションに自分の持ち物を出品した場合には、そのオークションでの落札価格が適正な価格によるものであったということを裁判所に詳細に説明しなければならないことになります。

具体的には、資産説明書(資産目録)の記載事項となっている「過去2年間に処分した財産」や「過去1年以内に10万円以上で処分した財産」の項目に記載しなければならないことになるでしょう。

たとえば、購入価格30万円(時価15万円)の腕時計をネットオークションで22万円処分し(落札者はヤマダタロウ)、売却代金を返済や生活費に消費してしまったという場合を想定すると次のような記載例になります。

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