自己破産すると保証人はどうなるの?

自分が保証人となっている借金の借主が自己破産の申し立てをしてしまうと、「保証人である自分はどうなってしまうのか?」と心配になる人も多いのではないでしょうか?

「保証人」とは、銀行や消費者金融からお金を借りる際に、「そのお金を借りた人がお金を返さない場合には私がお金を返します」と約束した人のことをいいます。

そのため、お金を借りた本人がお金を返さなかった場合には、保証人の方にその借金の請求が行くことになります。

このことは自己破産の手続きでも同様で、お金を借りた本人が自己破産の申立をした場合には、その保証人となっている人に「お前が代わりに払え」と請求がなされることになります。

保証人には一括請求がなされる

ここで重要なのは、保証人に対する請求は、借金全額が一括請求されてしまうという点です。

たとえば、AさんがX銀行から毎月3万円ずつ10回に分けて返済するという約束で30万円を借り、Aさんの友人であるBさんがその保証人となっている場合を考えてみましょう(わかりやすくするために利息は0%として説明します)。

Aさんがこの借金について毎月3万円ずつ3回に渡って返済していたものの、返済に行き詰ってしまい、Aさんが自己破産することになったとします。

そうすると当然、Aさんの保証人であるBさんに、X銀行から「お金を返せ」という請求が来ることになります。

この場合、BさんはAさんと同じように毎月3万円ずつ返済すればよいかとうとそうではありません。

この場合、X銀行からは、「Aさんが借りている残りの借金全額(21万円)を支払え」と請求されることになります。

なぜ一括請求がされてしまうかというと、Aさんが契約に違反して返済をしなくなったからです。

これを法律用語では「期限の利益を失う」といいますが、AさんとX銀行の間で「30万円を10回にわたって返済する」という約束(返済が10か月間猶予されるという期限の利益をもらっていた)をしていたにもかかわらず、それに違反したので、その分割払いの利益(期限の利益)を失うということになるのです。

これは当然、保証人であるBさんについても影響することになります。

AさんがX銀行との間で失った「期限の利益」は、当然保証人であるBさんの方にも直接反映されることになりますので、BさんはAさんが支払えなくなった残りの借金を直ちに全額支払わなければなりません。

なぜなら、すでにAさんが「30万円を10か月間で返済する」という「期限の利益」を失ってしまっているからです。

ここでもし、BさんがAさんの残りの借金を全額一括で支払うことができるのであれば、BさんはX銀行との間の契約に違反することはありません。

しかし、もしBさんが、Aさんの残りの借金を一括で返済できない場合には、今度はBさんが契約違反となってしまうことになります。

 

保証人が一括返済できないと信用情報機関に事故情報として登録されてしまう

前述したように、借金をした本人が自己破産する場合には、その保証人に対して残りの借金全額が一括で請求されることになります。

そして、もし仮に保証人がその残りの借金を一括で返済できない場合には債権者との契約に違反して「お金を返さない」ということになってしまいます。

「借りたお金を返さない」とどうなるかというと、信用情報機関に「事故情報」として登録されてしまうことになります。

信用情報機関に事故情報として登録されると、新しくクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりすることができなくなります。

クレジットカードやローンを組む場合、そのクレジットカード会社やローン会社は必ず信用情報機関に問い合わせを行い、申し込んだ人が過去に借金の返済を滞らせたことがないかということをチャックすることになりますが、信用情報機関に事故情報として登録されてしまうと、カードやローンの審査の際に「この人は過去に借金を返済しなかったことがある」と判断されるため審査に通らなくなるからです。

間違ってほしくないのは、借金を借りた本人が自己破産する場合、自己破産する本人(前述の例でいえばAさん)が信用情報機関に登録されるだけでなく、その保証人(前述の例でいえばBさん)についても「一括で返済できない場合には」信用情報機関に登録されてしまうという点です。

「借金をした本人は分割でよかったのに、なんで保証人は一括返済しなければならないの?」と疑問に思うかもしれませんが、そのような契約になっているのですから仕方がないのです。

借金をした本人がいったん失ってしまった「期限の利益」は、保証人に対して請求がなされる際にも二度と復活することはないのです。

 

保証人が分割返済したい場合には「債務整理」が必要となる

前述したように、借金をした本人が自己破産する場合には、保証人に対しては借金の全額が一括請求されることになります。

もっとも、ここでもし保証人(前述の例でいえばBさん)が「一括では返済できないけれども分割でなら返済することができる」と思っている場合は、分割で返済することも不可能ではありません。

しかし、これはいわゆる「債務整理(任意整理)」と呼ばれる借金の整理手続きになります。

Bさんが返済しなければならない借金(前述の例でいえばAさんが作った借金)をBさんが返済できないので、債権者にお願いして分割払いにしてもらうという立派な「債務整理(任意整理)」の手続きになるのです。

「債務整理(任意整理)」の手続きは、個人で債権者と交渉することも可能ですが、銀行や消費者金融によっては後々のトラブルを防ぐ目的もあり債務整理(任意整理)の手続きをとる場合には弁護士や司法書士が代理人として就任しなければ交渉に応じないことも多いです。

そのため、もし仮に誰かの保証人になっていてその借金をした本人が自己破産する場合には、保証人についても債務整理が必要になる事例は多くあります。

 

このように、借金の保証人になるということは、それ相応のリスクが発生するものであるということは肝に銘じておいた方がよいでしょう。

誰かの保証人になるということは、一見すると素晴らしいことのようにも思えますが、安易な考えで保証人になってしまうと大怪我をしてしまうことになりかねませんので・・・。

 

ちなみに、自分が誰かの保証人になっている場合はこちらのページもご覧ください。

≫ 自己破産で保証人がいる(保証人になっている)場合の注意点

 

なお、保証人が代わりに返済(弁済)をしてしまうと、その保証人が自己破産の「債権者」となってしまいますので、その点についても注意が必要です。

≫ 自己破産で保証人が先に弁済している場合はどうなるの?

 


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