法テラスを家族や身内に内緒で利用することはできる?

経済的に余裕がなく、弁護士や司法書士に依頼することが難しい場合は法テラスの行う民事法律扶助の「費用立替制度」や「無料相談」を利用する人も多いでしょう。

≫ 債務整理で法テラスを利用する場合、法テラスに行く必要はない?

このうち、民事法律扶助の費用立替制度は、自己破産やその他の法律トラブルの解決を弁護士や司法書士に依頼する際に必要となる費用や報酬を法テラスが立て替える制度ですが、低所得者の人でも法律サービスを利用できるようにすることが目的であるため一定の収入を下回る人しか利用することができません。

そのため、民事法律扶助の費用立替制度を利用する場合は、利用希望者の収入などを法テラス(日本司法支援センター)が厳しく審査し、それに通過した人に限って弁護士や司法書士の費用が立て替えられることになります。

なお、法テラスの収入審査についてはこちらのページを参考にしてください。

≫ 法テラスの法律扶助(立替制度)の収入審査が「ゆるい」って本当?

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家族に内緒で法テラスの法律扶助を利用できないわけではないが、内緒にしない方が良い

ところで、自己破産に限らず債務整理を弁護士や司法書士に依頼しようと考えている人の中には家族に内緒で借金の整理をしたいと考えている人も多いと思いますが、そのような場合、民事法律扶助の費用立替制度の利用も家族に内緒で行うことはできるのでしょうか?

前述したように、民事法律扶助の立替払い制度を利用する場合には法テラスの審査を通過することが必要になりますが、この法テラスの審査の際に家族や親戚に自分が法テラスを利用することがバレたりしないものなのでしょうか?

この点、法テラスの民事法律扶助を利用する場合には、法テラスに「収入を証明する書面」を提出する必要があります。

そして、この「収入を証する書面」は民事法律扶助を申請する人だけでなく、その人と同居する全ての人の分についても提出することが求められます。

たとえば、パート従業員のAさんが、会社員の夫、大学生でアルバイトをしているAさんの2人の子供、年金を受給しているAさんの夫の両親、と同一世帯で生活している場合を例に考えてみると、このAさんが法律扶助の申請をする場合にはAさんの「収入を証する書面」として、「Aさんのパートの給与明細書」だけでなく、「Aさんの夫の給与明細書」「Aさんの2人子供のアルバイトの給与明細」「Aさんの夫の両親の年金受給証明書」の全てを法テラスに提出しなければならないことになるのです。

そうなると、Aさんの夫や子供、Aさんの夫の両親から給与明細書や年金受給証明書を預からなければなりませんから、「給与明細を何に使うの?」とか「年金受給証明書を何に使うの?」と不審に思われるのが通常だと思います。

うまくごまかせるようであれば問題ないかもしれませんが、給与明細や年金受給証明書が必要なシチュエーションというものは普段の生活であまりないと思いますので、こうなると民事法律扶助を利用することを話さなければならないのではないかと思います。

このように、同居している人が何らかの収入を受けている場合には、それらの人の収入を証明する書面の提出も求められていますので、法テラスの民事法律扶助を利用することを秘密のままにしたまま手続きを進めるのは難しいのではないかと思います。

 

なお、そもそも借金の問題というものは家計に根本的な問題があることが通常ですので、家族に内緒で手続きを進めてもその根本的な問題の解決にはならないと考えられます。

≫ 自己破産を家族に内緒でしないほうがよい理由

なので、家族に秘密で処理できるかと悩むよりも早めに家族に相談し、家族全員の問題として対処することが最善の問題解決方法ではないかと思います。

 


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