自己破産をすると車やバイクはどうなるか?

(4)評価額(査定額)が20万円以上になる場合

自動車やバイクが裁判所に取り上げられるか否かは、前述の「初年度登録から5年以内」「排気量2500cc以上」「外国車」の3つの基準で判断されますが、これら以外にも裁判所が取り上げて売却する場合があります。

それは、評価額(査定額)が20円以上になるような自動車やバイクを所有している場合です。

評価額(査定額)が20万円以上になる資産(貴金属や腕時計、絵画など)については全て裁判所に取り上げられて売却されるのが基本です。

「20万円」という金額は全国の裁判所で異なっていますので、裁判所によっては「10万円」を基準としている地域もあるようですが、おおむね売却すれば「20万円」以上になるような物については裁判所(破産管財人)に取り上げられるのが基本的な取り扱いとなっています。

そのため、自動車やバイクについても、評価額(査定額)が20万円を超えるような場合には、たとえ「初年度登録から5年」を経過し「2500cc未満」で「国産車」の場合であっても、裁判所から取り上げられる可能性があるということになります。

特に注意が必要なのはオートバイ(単車)の場合です。

バイク(単車)はある程度年数の経った中古のバイクであっても、バイク屋に持って行けば比較的高い値段で買い取ってくれる場合も多いので(特に車検の必要がない250ccクラスの中型バイク)、バイクにある程度知識のある裁判官や破産管財人に当たった場合には資産価値があると判断されて売却されることもあるでしょう。

また、キャンピングカーなど比較的高額な改造をしている車についても要注意です。

キャンピングカーは初年度登録からかなりの年数が経っているものが多いですが、中古車市場ではそれなりの値段が付くことが多いので、基本的に裁判所に取り上げられると思っておいた方がよいかもしれません。

もっとも、この「20万円以上の財産」については、売却するか否かは各裁判官や破産管財人の裁量によるところもありますので、優しい裁判官や破産管財人に当たれば売却されないということもあるかもしれません。

(5)他の財産と合計して50万円を超えるような場合

前述したように、売却すれば20万円(裁判所によっては10万円以上)になる場合には、所有している車やバイクが「初年度登録から5年以内」「排気量2500cc以上」「外国車」という基準に満たない場合であって、、原則として裁判所に取り上げられて売却され、債権者に分配(配当)されることになりますが、場合によっては、売却しても20万円以上にならない場合であっても裁判所に取り上げられることがあります。

それは、他の財産と合わせて50万円を超えるような場合です。

所有する車やバイクの査定額が、他の財産(資産)の金額と合計して50万円を超えるような場合には、たとえその所有する車やバイクを売却しても20万以上にならない場合であっても、その車やバイクは取り上げられることになります。

たとえば、初年度登録から6年以上経過した、排気量1500ccの国産車を所有しているAさんが中古車販売店で査定してもらったところ、買取価格は15万円にしかならなかったとします。

このAさんが自己破産する場合には、基本的にその所有する自動車は「資産価値がある」とみなされませんので、自己破産の手続きで取り上げられることはありません。

しかし、このAさんが、他に解約返戻金が15万円になる生命保険を加入しており、売却すれば10万円になる腕時計を持っていて、銀行の預金口座に15万円の預金があったとすると、このAさんの所有する自動車は自己破産の手続きで裁判所(破産管財人)に取り上げられて売却され、その売却代金が債権者に分配(配当)されることになります。

これは、自動車単体で考えると「資産価値はない」と判断されるものの、他の財産と合計すれば、「資産価値がある」と判断されてしまうからです。

他の財産とひっくるめて50万円を超えるような財産を持っている人は、「資産を保有している」と裁判所から判断されますから、たとえその個別の財産が20万円(裁判所によっては10万円)を超えない場合であっても裁判所に取り上げられることになるので注意が必要です。

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原則として取り上げられない場合

(1)初年度登録から5年を超えた排気量が2500cc未満の国産車

前述したように、「初年度登録から5年以内」の自動車・バイクや「排気量2500cc以上」の自動車、「外国車」の場合には基本的に裁判所に取り上げられることになります。

これを逆に考えれば、初年度登録から5年を超えた排気量が2500cc未満の国産車であれば自己破産の申立をしても基本的に取り上げられることはないと思って問題ないと思います。

”基本的に”としたのは、前述したようにたとえ「初年度登録から5年を超えた排気量が2500cc未満の国産車」であっても、売却すれば10万円以上(裁判所によっては20万円以上)になるような自動車やバイクについては資産価値があると判断されて裁判所に取り上げられることになるからです。

 

以上のように自己破産の手続きにおいては、一定の基準を超える自動車やバイク(単車)については取り上げられて売却されるのが原則です。

もっとも、上記の基準で判断したら取り上げられてしまうというような自動車やバイク(単車)を所有している人であっても、「自由財産の拡張」という制度を利用すれば自動車やバイク(単車)を取り上げられなくて済む場合があります。

「自由財産の拡張」制度はかなり難解な手続きですが、弁護士や司法書士と打ち合わせを行い、破産管財人と協議を重ねて聞けば認められる場合も多くありますので、どうしても車やバイクを手放したくないという人は検討してみるのもよいと思います。

なお、自由財産の拡張制度を利用する場合についてはこちらのページを参考にしてください。

≫ 自由財産の拡張の方法 – 自由財産拡張申立書と上申書の記載例

≫ 自由財産と自由財産の拡張制度とは

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