親から仕送りを受けている人が自己破産する場合の注意点

自己破産の申し立てを予定している人が親や親族から仕送りを受けている場合には、その仕送りに関しても自己破産の申立書に記載し裁判所に報告しなければなりません。

なぜなら、「仕送り」は「お金を受け取ること」に他なりませんから「収入」の一部となりますし、その受け取った仕送りの分だけ「資産(財産)」が増加することになるからです。

「収入」や「資産(財産)」は自己破産の免責(借金の返済を免除すること)を判断するうえで重要な要素となりますから、その詳細を申立書に記載し裁判所や破産管財人の行う調査にも誠実に応じる必要があるのです。

そこで今回は、自己破産の申立人が親や親族から仕送りを受けている場合の注意点などについて考えてみることにいたしましょう。

なお、子供などに「仕送りをしている人」が自己破産をする場合の注意点については『仕送りをしている人が自己破産する場合の注意点』のページをご覧ください。

「仕送り」は自己破産申立書のどこに記載する?

親や親族から仕送りを受けている場合には、その「金額」や「仕送りをしている人」について自己破産申立書の「資産説明書(資産目録)」に記載しなければなりません。

これは親などからの「仕送り」であっても毎月定期的に受領することが確定しているということができるため「給料」や「年金」などと同様に考える必要があるからです。

なお、「仕送り」を記載する場所は、資産説明書(資産目録)の「収入」の欄と「家計表(家計収支表)」の欄の2か所になります。

資産説明書(資産目録)の「収入」の欄の記載方法

資産説明書(資産目録)の「収入」の欄は各裁判所によって様式が異なっていますので、申し立てを行う裁判所によって記載方法が異なります。

≫ 資産説明書(目録)の作成手順(5)収入等の欄の記載方法

もっとも、大部分の裁判所では大都市部の裁判所で使用されている様式に準じた様式を採用していますので、ここでは東京地裁と福岡地裁で使用されている様式を例に記載方法を例示しておくことにいたしましょう。

≪東京地裁で使用されている資産目録への記載例≫

4 報酬・賃金(給料・賞与など)
*給料・賞与等の支給金額だけでなく、支給日も記載します(月払いの給料は毎月〇月とし、賞与は直近の支給日を記載します)。
*最近2か月分の給与明細及び源泉徴収票又は過去2年度分の確定申告書の各写しを提出します。源泉徴収票のない人、確定申告書の控えのない人、給与所得者で副収入のあった人又は修正申告をした人はこれらに代え又はこれらとともに課税(非課税)証明書を提出します。

種類支給日支給額
親からの仕送り毎月末日ごろ80,000円
~ 省略 ~

 

※「種類」の項目は、単に「仕送り」や「親からの仕送り」と記載しておけばよいでしょう。

※「支給日」の項目は、仕送りを受け取っている日(銀行口座への送金で受け取っている場合は振り込まれる日)が確定している場合はその「日」を記載すればよいですが、仕送りを受け取る日が毎月定まっていないような場合には「中旬」や「末日ごろ」と記載しておけばよいでしょう。

※「支給額」の欄は、毎月受け取っている仕送りの金額を記載します。仕送りの金額が毎月異なるような場合には「○万円前後」や「○万円~○万○千円」などと記載すればよいでしょう。

 

≪福岡地裁で使用されている資産説明書への記載例≫

 給料、報酬、賃料収入等
□ない
☑次のとおり(添付書類:給与明細書等)

種類金額支給日番号*
親からの仕送り80,000円毎月 末日ごろ
~ 省略 ~

*「番号」のところには、上記給料等が振り込まれる金融機関について、上記2の「預金、貯金口座」の表の番号を記載してください。なお、手渡しの場合は、「手渡し」と記載してください。

 

※「種類」「金額」「支給日」の欄の記載方法は前述の東京地裁で使用されている資産目録への記載例と同様に記載すれば問題ないでしょう。

※福岡地裁で使用されている申し立ての様式では「番号*」の欄が設けられていますので、仕送りが銀行振り込みで送金されている場合には、その仕送りを受け取っている銀行口座を記載した資産目録の「預金口座を記載する欄」の番号を記入します(※例えば資産目録の「預金口座を記載する欄」の「2番の欄」に記載したX銀行東京駅前支店の預金口座に仕送りが振り込まれている場合には「資産説明書」の「収入」の欄の「番号*」の項目に「2」と記入します)。

 

家計表(家計収支表)への記載方法

親や親族から仕送りを受け取っている場合には、資産説明書(資産目録)の「収入」の欄とは別に、「家計表(家計収支表)」にもその受け取っている仕送りを記載しなければなりません。

家計表(家計収支表)も資産説明書(資産目録)と同様に全国の各裁判所で様式が異なっていますので各裁判所で使用されている様式に従って記入する必要があります。

≫ 陳述書の作成手順(5)家計表の書き方

ここでは、福岡地裁で使用されている家計表に記載する場合の記載例を参考までにあげておきます。

≪福岡地裁で使用されている家計表への記載例≫

(※月収73,000円のアルバイト収入がある学生が親から83,000円の仕送りを受け取っている場合)

家計表
収入支出
費目金額(円)費目金額(円)
前月からの繰越金○円~ 省略 ~
給与・賞与申立人73,000円
親からの仕送り申立人80,000円
~ 省略 ~

 

仕送りをもらっている場合に必要となる添付書類は?

自己破産の申立書には、その申立書に記載した事実を証明するための書類を添付しなければならないことになっています(※この書類を添付書類といいます)

収入に関する事実を証明する書類としては、例えば給料をもらっている場合は「給与明細」や「所得証明書」が代表的な添付書類となりますが、「仕送り」に関しては親や親族から「仕送り明細書」が発行されているわけではありませんので、添付書類としてどんな書類を提出すれば良いのかという問題が生じます。

≫ 自己破産の添付書類(3)給与明細など収入を証明する書類

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