資産目録の作成手順(16)事業設備、在庫品等の記載方法

自己破産の申立書は各裁判所によってその様式が異なっていますが、東京地裁などで使用されている資産目録には「事業設備、在庫品、什器備品等」を記載する欄が設けられています。

この「事業設備、在庫品、什器備品等」の欄は、自営業者など仕事上の財産が存在する場合に記載する項目であり、仕事関連の資産がある場合には、その評価額を調べて全て記載しなければならないことになっています。

そこで、ここでは自己破産申立書の資産目録にある「事業設備、在庫品、什器備品等」を記載する欄の書き方(記載方法)について考えていくことにいたしましょう。

なお、自己破産申立書の作成方法についてはこちらの目次ページから必要な書類のページに移動してご確認をお願いします。

自己破産申立書作成マニュアル(目次)

資産目録に記載すべき「事業設備、在庫品、什器備品等」とは

資産目録に記載すべき「事業設備、在庫品、什器備品等」とは、例えば、ケーキ屋さんが自己破産する場合の業務用オーブンであるとか、お米屋さんが自己破産する場合の倉庫に入っているお米とか、石材屋さんが自己破産する場合の仕入れている御影石などが該当するでしょう。

農業を営んでいる人であれば、収穫前(または収穫後出荷前)の米や野菜なども「事業設備、在庫品、什器備品等」として記載しなければなりませんし、畜産業を営んでいる場合には鳥牛豚などの家畜も記載対象となります。

 

記載が必要なのは自営業の場合

「事業設備、在庫品、什器備品等」に記載が必要なものは前述したとおりですが、これは「自営業」の場合に記載が必要なのであって、「会社」形態で事業を営んでいて、その「事業設備、在庫品、什器備品等」が会社の持ち物となっている場合は記載する必要はありません。

例えば、親の跡を継いでケーキ屋さんを営んでいる場合であっても、そのケーキ屋さんが株式会社や有限会社など会社形態になっている場合(法務局に登記をしている場合)には、そのケーキ屋さんで使用されている設備は「会社」の持ち物となっていますから、たとえケーキ屋さんの社長個人が自己破産する場合であってもケーキ屋さんの設備を資産として記載する必要はありません。

 

「評価額」の計算方法

資産目録の「事業設備、在庫品、什器備品等」の欄には、後述するように「評価額」を記載する欄が設けられています。

この「評価額」の項目には、「現在売却した場合の金額」を記載することになりますので、適宜の方法で「今売却したとしたらいくらで売却できるか」を調べて記載する必要があります。

例えば、農作業で使うトラクターであれば、農機具の販売店で買い取り価格を査定してもらえば良いですし(この場合は査定書の添付が必要となります)、お米屋さんの倉庫に入っているお米であれば、通常の販売価格の合計額を記載すればよいでしょう(この場合は通常の販売価格を証明する資料(たとえば過去の帳簿などを資料として添付します)。

また、農家であれば米や野菜の卸売価格を、畜産業であれば家畜の卸値などを記載すればよいと思います。

 

資産目録の「事業設備、在庫品、什器備品等」の欄の様式

ここでは、東京地裁で使用されている資産目録の「事業設備、在庫品、什器備品等」の欄の様式を参考として挙げておきます。

● 事業設備、在庫品、什器備品等
*品名、個数、購入時期及び評価額を記載します。
*評価額の疎明資料も添付します。

品名個数購入時期評価額
年 月 日
年 月 日

 

なお、福岡地裁などで使用されている申立書の資産説明書には「事業設備、在庫品、什器備品等」は設けられていません。

福岡地裁では、自営業者が「事業設備、在庫品、什器備品等」を所有している場合は、別途「事業等に関する補充説明書」を言う書類を作成することが義務付けられており、「事業設備、在庫品、什器備品等」についてはその「事業等に関する補充説明書」に記載することとなっています。

このように、裁判所によっては「事業設備、在庫品、什器備品等」を記載する欄も異なっていますので注意してください。

 

資産目録の「事業設備、在庫品、什器備品等」の欄の具体的な記載例

例えば、農家を営んでいるAが自己破産する場合で、平成20年5月1日に中古で購入した三菱トラクター(購入価格100万円、中古車販売店での現在の買取見積価格は50万円)と、収穫前のキャベツ約10000kgがある場合(キャベツの卸値は1kgあたり120円)の記載例は次のようになります。

品名個数購入時期評価額
三菱トラクター1台平成20年5月1日50万円
キャベツ約10000kg種付けは本年5月ごろ120万円
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