自己破産で自動車やバイクを持っている場合に注意すべきこと

自己破産をする際に、自動車やバイクがある場合には、基本的に裁判所に取り上げられて、売却された代金が債権者に分配されることになります。

≫ 自己破産をすると車やバイクはどうなるか?

例外的に資産価値の無いような古い車やバイクは取り上げられないこともありますが、いずれにせよ裁判所が自動車やバイクについて厳しくチェックすることになるでしょう。

そのため、自己破産の申し立てをする人が自動車やバイクを所有している場合には、それを所有していない場合に比較して特別に注意する点が出てきます。

そこで、ここでは自己破産をする人が自動車やバイクを所有している場合に注意すべきことについて考えてみたいと思います。

自動車やバイクは全て資産となる

自動車やバイクがある場合には、それがどんなに古い自動車やバイクであっても資産となりますので、自己破産申立書の資産目録に資産として記載しなければなりません。

資産目録(説明書)の作成手順(11)自動車・バイクの記載方法

この資産目録に記載しなければならない自動車・バイクに制限はありませんから、10tトラックであろうが50ccの原付であろうが、全て資産として記載する必要があります。

 

裁判所に取り上げられるのは基本的に評価額が20万円以上の自動車やバイク

自己破産の手続においては、全ての財産が裁判所に取り上げられて売却され、売却代金が債権者に分配されるというのが基本的な取扱いです。

ただし、全ての財産が取り上げられてしまうと、破産者の経済的更生の妨げとなってしまいますから、一定の財産については取り上げられることなく自己破産後も自由に所有してよいということになっています。

この点、自動車やバイクについても、多くの裁判所では評価額が20万円を超えないようなものについては裁判所が取り上げないで破産者の所有を認める取り扱いをしています。

前述のとおり、資産目録には全ての自動車やバイクを記載しなければなりませんが、実際に裁判所に取り上げられるのは、評価額が20万円を超えない場合に限られるということを覚えておいて損はないでしょう。

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査定書は一定の場合には添付する必要がない

自動車やバイクを所有している人が自己破産する場合には、基本的にその自動車やバイクの査定書を取得して裁判所に提出しなければなりません。

ただし、査定書が必要なのは一定の場合に限られており、全ての自動車やバイクについて査定書が必要となるというわけではありません。

たとえば、福岡地裁の場合には、

・初年度登録から5年以内
・2500cc以上
・外国車

 

という3つの場合のみ、査定書の提出が義務付けられています。

そのため、初年度登録から5年以上経過した国産車や、2500ccを下回る排気量の国産車などを所有しているときは査定書の添付が必要ありません(査定書が必要ないということは資産価値がないと判断されるので裁判所にと入あげられる可能性は極めて低くなる)が、所有する車が外国車の場合は、たとえ初年度登録から5年を経過したものであっても査定書の添付が必要となります(外車の場合はどんなに古い車でも裁判所に取り上げられる可能性が高くなる)。

自己破産の添付書類(8)自動車やバイクの車検証と査定書

 

 査定書は必ず2か所以上で取得する必要がある

査定書は、必ず2箇所の中古車販売店などで査定して作成してもらう必要があります。

1か所だけだと隔たった価格が査定される恐れがありますので、多くの裁判所では別々のお店で査定してもらってから査定書を2通添付するように決められているのです。

査定書を書いてくれないような販売店の場合は、査定してくれた店員の名刺をもらい、その名刺の裏に査定額を書いてもらったりしても問題ないと思います。

自己破産の添付書類(8)自動車やバイクの車検証と査定書

 

自動車保険も資産目録の「保険」の欄に記載する

自動車やバイクを持っている場合は、任意保険に加入していると思いますので、資産目録の「保険」の欄に任意保険を記載しなければなりません。

資産目録(説明書)の作成手順(9)生命保険等の欄の記載方法

自動車保険は解約しても解約返戻金が戻ってくることはないと思いますが、自己破産の手続においては資産とみなされますので、資産目録に記載が必要となります。

 

任意保険に加入していない場合は申立前に入っておくこと

前述したとおり、基本的に評価額が20万円を超えないような自動車やバイクは取り上げられませんから、そのような資産価値の低い自動車やバイクを持っている人は、自己破産の後もその自動車やバイクに乗り続けることと思います。

このような場合に注意してもらいたいのが、必ず任意保険に入っておくことです。

自動車やバイクを所有している人の中には、任意保険に加入していない人も、もしかしたらいるかもしれません。

しかし、もし仮に自己破産の手続きの途中で人身事故を起こし、多額の賠償請求を受けてしまうと、負債の総額が増えてしまうことになるため、他の債権者の配当がするなくなるなど自己破産の債権者に不測の損害が生じてしまいます。

債権者に損害を及ぼす行為をすると、自己破産の手続きがスムーズに進まないこともありますし、破産管財人が選任された状態でこのような任意保険のない自動車などで事故を起こされると、破産管財人が負債を増大させたことの責めを受けてしまいますので、そのような事態を防ぐためにも必ず任意保険には入っておかなければなりません。

任意保険に入っておかずに申立をすると、場合によっては破産管財人から任意保険に加入するよう指導を受けることもありますので注意しましょう。

自己破産で他人の自動車やバイクを自分の名義にしている場合

自己破産で自分の自動車やバイクを他人の名義にしている場合

 

裁判所に取り上げられるまでは乗ってもいい?

前述したように、資産価値が20万円以上するような車やバイクは裁判所に取り上げられて換価され、その売却代金が債権者に分配(配当)されることになります。

この裁判所に取り上げられることに関連して、裁判所に取り上げられるまではその車やバイクに乗っても良いのか、という点が問題になりますが、そのような資産価値のある車やバイクは裁判所に取り上げれらるまでに使用することはできないと考えてください。

裁判所に取り上げられるような資産価値のあるものについては、債権者に分配されるべき「債権者の財産(資産)」ということになりますから、もし事故でも起こして壊してしまったり傷をつけたりしてしまっては、「債権者の財産」の価値を不当に棄損したということになり、自己破産の手続きで問題にされることになりかねません。

そのため、たとえ裁判所に取り上げられる前であっても、すでに自分の財産ではないということもできますから、一切使用しないようにすべきでしょう。

≫ 自己破産での車やバイク、取り上げられるまでは乗ってもいい?

 


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