陳述書の作成手順(9)浪費等の有無の欄の記載方法

自己破産申立書の陳述書(報告書)には、浪費などがあったかなかったかを記載する欄があります。

浪費などを記載する欄には、どのようなものにお金を使ったかを個別具体的に記載する必要がありますが、初めて書くときには何が「浪費」にあたるのか、また何をどう書いたら良いか意外と難しいものです。

そこで、ここでは自己破産申立書の陳述書(報告書)の浪費などの欄の記載方法に考えてみることにいたしましょう。

なお、自己破産申立書の作成方法についてはこちらの目次ページから必要な書類のページに移動してご確認をお願いします。

自己破産申立書作成マニュアル(目次)

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陳述書の「浪費等」の欄の記載方法の概要

まず、なぜ「浪費」の有無やその内容を書かなけれなばらないか皆さんお判りでしょうか?

自己破産手続きの最終目標は自己破産の申し立てが認められること(これを「免責」といいます)によって借金の返済義務の免除を受けることにあります。

しかし、自己破産の申し立てを行えば必ず「免責」が受けられるというものではなく、「免責不許可事由」と呼ばれる「事由」があった場合は「免責」が「不許可」になり、自己破産の申し立て自体は受け付けられても借金の返済は免除されません。

自己破産の申立書を提出しても

「なるほど、あなたは借金の返済が出来なくなったようですね、自己破産の申立は受理しましょう。でも、あなたには『免責不許可事由』と呼ばれる項目に該当するものがありますから借金の返済を免除することはできません。残念ですが、借金は何とかして全額返済しなければなりませんね。」

と、裁判所に言われるわけです。

その「免責不許可事由」の一つが「浪費」であり、生活に必要不可欠とは言えない「浪費」に借金したお金を使う様な人にまで借金の返済を免除してしまうと「浪費なんかにお金を使っているのに借金の免除を受けるなんて何事か!」とお金を貸している債権者が怒り出してしまうので「免責」が許可されないシステムになっているのです。

では、何が「浪費」になるのでしょうか?

次の項では具体的に何が「浪費」にあたるのかを考えて言いましょう。

 

自己破産の免責不許可事由にあたる「浪費」の具体例

自己破産の免責不許可事由にあたる「浪費」の具体例には次のようなものがあります。

①飲食・飲酒
②投資・投機・マルチ商法やネットワークビジネス
③商品の購入
④ギャンブル
⑤風俗
⑥その他

なお、浪費の具体例についてはこちらのページでもレポートしていますので参考にしてください。

≫ 自己破産の「浪費」とは具体的に何のことを言うの?

 

① 飲食・飲酒とは

①の飲食・飲酒とは、ただの飲食・飲酒ではなく「収入に見合わないような過度な飲食・飲酒」のことを指します。

たとえば、自分の収入では行けないような高級レストランでフランス料理を食べたとか、高級すし店に通っていたとかが該当することになるでしょう。

仕事の昼休みに定食屋に行ったり、休みの日に庶民的なレストランやファストフード店で食事をとるなどは「浪費」には該当しません。

友達と居酒屋でお酒を飲んだりするのも月数回・数千円のレベルなら「浪費」とはいえないと思いますが、借金が膨れ上がる原因となるような「収入に見合わない過度な支出」と認められるような回数で飲み食いしている場合には「浪費」として申告しなければならないでしょう。

ポイントは「収入に見合う限度か」というところにあり、金額的にはおおむね1階の飲食について2万円程度が目安と考えれば良いと思います。

「収入に見合わない」「過度な」支出とならない範囲の飲食・飲酒であればセーフ、それを超えるようならアウトということになります。

② 投資・投機・マルチ商法やネットワークビジネスとは

②の投資・投機・マルチ商法やネットワークビジネスとは、株式投資やマルチ商法などにお金を費やすことをいいます。

株式投資は株の売買なのでわかると思います。

「投機」とは「ギャンブル性の高い投資」で未公開株の売買などが含まれると思いますが、これに当てはまる人はあまりいないでしょう。

マルチ商法やネットワークビジネスとは、いわゆる「ネズミ講」などがこれにあたります。

例えば、大元締めのXがいて、Xの商品をA・B・Cが購入し、Aはa1・a2・a3に、Bはb1・b2・b3に、Cはc1・c2・c3にそれぞれXの商品を販売します。Xの商品を販売するごとにXからマージン(お金)を受け取れるので、AからXの商品を購入したa1はさらにa1-1・a1-2・a1-3にXの商品を販売し・・・

というようにネズミ算式に広がって行く商法のことを「マルチ商法(連鎖販売取引)」といいます。

「マルチ商法」と「ネズミ講」、「ネットワークビジネス」が同じ意味になるかどうかは見解が分かれるかもしれませんが、自己破産の手続きでは全て同じように考えて差し支えないと思います。

ネズミ算式に広がって行く商法に手を出しているようなら、「浪費」として申告する必要があります。

③ 商品の購入とは

③の商品の購入とは、「収入に見合わないような過度な」商品の購入のことをいいます。

一般的な家庭で購入するような冷蔵庫や洗濯機などを購入しても「浪費」にはならないでしょう。

車も「通勤に必要だから」という理由で「いわゆるファミリーカー」を購入するような場合は「浪費」には該当しないと思いますが、「収入に見合わない過度な」装備のスポーツカーであったり、通勤に必要であったとしてもその購入した車が「収入に見合わない」ような高級車であるような場合は「浪費」と言えるでしょう。

「商品の購入」といっても、スーパーで買い物したりするような日常的な商品の購入ではなく、「収入に見合わないような過度な」商品の購入が「浪費」にあたります。

金額の目安は、おおむね10万円程度となりますので、10万円を超えるような商品の購入については記載しておいた方が無難です。

④ ギャンブルとは

④のギャンブルはパチンコや競輪・競馬・競艇などが当てはまるでしょう。

宝くじも度を越した買い方をしているようなら「浪費」にあたると思いますが、年末ジャンボを毎年3000円だけ買っていたというような場合は「浪費」とまでは言えないように思います。

⑤ 風俗とは

⑤風俗とは、性的なサービスをするお店だけでなく、キャバクラやホストクラブなども含まれます。

スナックやクラブは「飲食・飲酒」に含まれるかもしれませんが、どちらにしろ「免責不許可事由」に該当することは同じなので、スナックやクラブに行っていた場合も裁判所に「浪費」として申告する必要があります。

⑥ その他とは

自己破産の免責不許可事由に該当する代表的な事由は上記の①~⑤に挙げたものになりますが、これらに該当しないような「浪費」がある場合には「その他の浪費」として申立書に記載する必要があります。

例えば、スマホゲームのガチャ(コンプガチャ)などでお金を使いすぎてしまったとかいう場合は「浪費」として記載する必要があるでしょう。

その他にも、メイド喫茶にはまったとか、鉄道オタクで模型を買いすぎたとか、「収入に見合わないような過度な支出」があれば、「浪費」として裁判所に申告する必要があります。

 

陳述書の「浪費等」の欄の具体的な記載例

自己破産申立書の陳述書にある「浪費等」の具体的な記載例については次のページに記載していますので参考にしてください。

陳述書の作成手順(10)浪費等の欄の具体的な記載例

 


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