陳述書の作成手順(5)家計表の書き方

自己破産申立書の報告書(陳述書)には家計表(家計収支表)を作成して添付する必要があります。

家計表(家計収支表)の様式には各裁判所によって若干の違いがありますが、自己破産の申立前の数か月間の家計の収支を記入して提出するのが通常です。

ここでは、自己破産申立書に添付する家計表(家計収支表)の作成方法について考えていくことにいたしましょう。

なお、自己破産申立書の作成方法についてはこちらの目次ページから必要な書類のページに移動してご確認をお願いします。

自己破産申立書作成マニュアル(目次)

家計表(家計収支表)の概要

自己破産申立書に添付する家計表(家計収支表)は、各裁判所によって若干の様式に違いがあります。

ここでは、比較的簡潔に作成してあることで評判のある福岡地方裁判所で実際に使用されている家計表の様式を例示しておきましょう。

≪様式例・福岡地方裁判所で使用されている自己破産申立書の家計表≫

家計表
収入支出
費目金額(円)費目金額(円)
前月からの繰越金家賃(管理費含む)
給与・賞与申立人駐車場代( )
給与・賞与配偶者ガソリン代( )
給与・賞与( )通勤通学費
年金(申立人)水道光熱費
年金(配偶者)電話料金
雇用保険食費
生活保護外食費
児童手当被服費
児童扶養手当医療費
保険返戻金等教育費
預貯金引出仕送り
養育費等新聞本代等
援助( )交際費
援助( )娯楽費
事業収入事業資金
借入生命保険料
借入生命保険料
税金
雑費
返済(申立人)
返済(配偶者)
翌月への繰越金
収入合計支出合計

 

申立前何か月間の家計表を提出する必要があるか

自己破産申立の際に提出する家計表(家計収支表)は、通常は申立前1か月分のものを作成して提出すればOKです。

例えば、5月に申立てを行うのであれば4月1日~4月30日の家計表を作成して提出すればよいです。

ただし、裁判所によっては申立前2か月分の家計表の提出を義務付けているところもありますので、そのような裁判所に提出する場合は申立前の2か月分の家計表を作成して提出するようにしましょう(たとえば5月に申立を行うのであれば4月1日~4月30日と3月1日~3月31日までの2か月分の家計表を作成して提出する)。

 

家計表の締日は31日でなくともよい

家計表を作成する際、通常はその月の1日からはじめて31日(または30日)に締めることが多いでしょう。

ただし、例えば給料日が毎月10日の場合などはその月の10日から初めて翌月の9日で締める方が家計表が作成しやすかったりする場合もあります。

このような場合は、家計表を10日から始めて翌月の9日で締めても構いません。

例えば、8月28日に申立をする場合には「7月10日~8月9日までの家計表」を作成しても何ら問題ありません。

 

家計表には同一家計で生活を営んでいる全ての人の収入と支出を記載する

自己破産申立書で作成する家計表(家計収支表)は、自己破産の申し立てをする人だけを記載すればよいというものではありません。

自己破産をする人と同じ家計で生活を営んでいる人の「収入」と「支出」は全て記載しないといけませんので注意して下さい。

例えば両親と弟と同居している長男が自己破産する場合には、家計表には父と母および弟の収入と支出の金額を全て記載する必要があります。

なお、同一の家に居住している場合であっても、2世帯住宅などで住民票上も別世帯になっており家計も全く別にしているような場合には、世帯が分かれている方の収入と支出は記載する必要はないでしょう(たとえば、2階建ての一軒家の2階に長男夫婦が、1階に両親が住んでいる場合で長男夫婦と両親が住民登録も別世帯として市役所に届け出をしており、食費や生活費もそれぞれ別にしているような場合には、長男が自己破産する場合であっても両親の収入と支出を家計表に記載する必要はないでしょう)。

 

家計表の具体的な記載方法

自己破産申立書で作成する家計表は大別すると「収入」と「支出」の2つの項目に分かれます。

なお、事前に”家計簿”を作成しておくと、比較的簡単に家計表作成することができます。

自己破産の”家計表”を作る前に”家計簿”をつけて!という話

家計表の「収入」欄の記載方法

「収入」とは給料や年金などが代表的ですが、失業給付を受けていたり児童手当を受けている場合も「収入」として記載します。

「預貯金」を引き出した場合にも「収入」としてその金額を記載します。

また、親から仕送りをもらっている場合などもその金額を「収入」として記載してください。

なお、前月からの繰越金がある場合(前月の収入から前月に支出した金額を差し引いた残りがある場合)は「前月からの繰越金」としてその金額を記載します。

「自分の家計にいくら現金が入って来たか」を考えて、そのすべての「収入」を記入するようにします。

なお、前月からの繰越金の計算方法については自己破産の家計表における「繰越金」の計算方法と書き方のページを参考にして下さい。

家計表の「支出」欄の記載方法

家計表の「支出」とは、その月に支出した費用の全てを記載します。

本来は1円単位で記載する必要がありますので、スーパーに行ったときのレシートなどは全て保管しておいて毎日家計簿をつけておいた方が良いでしょう(ただし、食費などは100円単位まで省略しても裁判所も厳しく言わないことが多いです)。

同一の家計で生活している人が車を所有していて駐車場代やガソリン代がかかるような場合には、その人の氏名をカッコの中に記載して金額を記入してください。

その月の収支で余剰金が出るような場合は、「翌月への繰越金」としてその金額を記入します。

なお、翌月への繰越金の計算方法については自己破産の家計表における「繰越金」の計算方法と書き方のページを参考にして下さい。

家計表の「収入合計」と「支出合計」の金額は同じになる

「収入合計」は「前月からの繰越金」と「その月に収入のあった金額」の合計額となり、「支出合計」は「翌月への繰越金」と「その月に支出した金額」の合計額となりますから、「収入合計」と「支出合計」に記入する金額は同額にならなければなりません。

陳述書の作成手順(6)破産に至った事情の記載方法

 


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