ヤミ金が使用している銀行口座(預金口座)を凍結させる方法

出資法の上限金利(年利20%)を著しく超える利率で貸付を行っているようなヤミ金に対しては、利息のみならず借りたお金の元金も返済する必要がありません。

ヤミ金は自己破産申立における債権者となるか?

そのため、もしヤミ金にお金を支払っているような場合には、その支払ったお金の全額につきヤミ金に対して「支払ったお金を返せ」という権利が発生します。

しかし、ヤミ金は犯罪者集団ですから「わかりました」といって素直に返してくれることは無いと思いますし、住所が判明しないヤミ金などは連絡先が不明になっている場合も多いでしょう。

そんなときは、「振り込め詐欺救済法に基づく被害回復分配金の支払手続」を利用することをお勧めします。

この「振り込め詐欺救済法に基づく被害回復分配金の支払手続」は、ヤミ金や振り込め詐欺の被害者(ヤミ金や振り込め詐欺の犯罪グループに対してお金を振り込んだ人)が、その振り込みをした銀行口座を凍結させ、その銀行口座からお金を取り戻す手続きです。

この手続きの手順は、ヤミ金などが使用している口座を凍結させることから始めることになるのが通常ですので、まず自分が振り込みを行ったヤミ金の利用する口座が凍結されているか確認する必要があります。

このヤミ金が利用している銀行口座が凍結されているかどうかについては預金保険機構のウェブサイトで簡単に確認することができましたが(確認方法についてはヤミ金が利用している口座が凍結されているか確認する方法のページで解説しています)預金保険機構のサイトで確認しても口座が凍結されていないような場合には、銀行に申請して口座を凍結させる必要があります。

そこで、ここではヤミ金(または振り込め詐欺の犯罪グループ)が利用している銀行口座(預金口座)を凍結させる方法について解説していくことにいたしましょう。

まず預金保険機構のサイトで口座が凍結されているか確認する

前述したとおり、「振り込め詐欺救済法に基づく被害回復分配金の支払手続」を利用するには、自分が振り込んだ銀行口座が凍結されていることが必要になります。

そのため、自分がお金を振り込んだ銀行口座(預金口座)が現時点で既に凍結されているか確認しなければなりません。

銀行口座が凍結されているかどうかはヤミ金が利用している口座が凍結されているか確認する方法のページで解説しているとおり、預金保険機構のサイトで簡単に確認することが可能です。

預金保険機構のサイトで確認してもその口座が凍結されていないようであれば、銀行に口座凍結の申請を行う必要があります。

 

ヤミ金の利用する預金口座を凍結させてもヤミ金から報復されることはない

まず、ヤミ金の利用している預金口座を凍結させたとしても、ヤミ金に報復されるということはありませんので安心してください。

そもそもヤミ金は、自分たちが利用している銀行口座が凍結されるのは日常茶飯事なので、利用している口座が凍結させられたとしても「何だよ、凍結されてるじゃねーかよ」ぐらいにしか思っていません。

また、ヤミ金が利用している口座は、ヤミ金が開設したものではなく他人の口座を不正な手段で取得しているにすぎませんので、仮にその口座が凍結されたとしても、その口座の凍結申請を出したのが誰であるのかということを調べるすべがありません。

預金口座が凍結された場合、凍結された口座の名義人は銀行に申請することでその凍結の申請をしたのが誰かということは調べることができます。

しかし、他人の口座を不正に利用しているヤミ金は、当然ながらその口座の名義人ではありませんので、銀行に対してその口座を凍結したのが誰かということを照会しても、銀行は口座の名義人ではないヤミ金に対して誰が口座の凍結申請をしたかということは教えることができないのです。

以上のように、ヤミ金の口座を凍結したとしてもヤミ金に報復の嫌がらせや暴力を受けるということはまず通常はありえませんので安心してください。

 

ヤミ金の利用する預金口座とは全く別の口座を凍結させないように注意すること

銀行の預金口座を凍結させるということは、凍結される側にとっては大きな損害となる行為になります。

ある日突然、自分の口座からお金を引き出せなくなったり、家賃や光熱費の引き落としができなくなることを想像してみてください。

昨日まで普通に生活できていたのに、突然銀行から自分のお金を引き出せなくなるのですから、その与える経済的な損失は計り知れないものがあります。

会社や自営業者が利用している口座などが凍結された場合には会社が倒産したり、従業員が路頭に迷うこともあるかもしれません。

そのため、他人の銀行口座を凍結させるという行為は、十分に慎重に行う必要があります。

私も司法書士として何度もヤミ金の利用する銀行口座を凍結させた経験がありますが、その際には依頼人から十分に聞き取りを行い、実際にヤミ金に振り込んだという証拠(ATMの振込伝票の控えなど)がない限り凍結手続きは行いませんでした。

これは、間違ってヤミ金が利用している口座以外の口座を凍結させてしまった場合には、その口座の利用者から莫大な損害賠償請求を求められる可能性があるためです。

そのような不測の事態を回避するため、ヤミ金の利用する口座であることが確実に判断できる証拠がある場合しか凍結手続きは行いませんし、仮にそのような証拠があった場合でも、念のため依頼人に「その口座がヤミ金の利用口座であることが間違いありません」という念書を書いてもらっていました。

このように、ヤミ金の利用する預金口座を凍結させる際には十分に注意する必要があります。

間違えて、関係のない口座を凍結させてしまうと、その口座の所有者に大きな損害を与えてしまい損害賠償請求をされるリスクが伴うことを理解しておくことは大変重要です。

以上のようなリスクがあるため、ヤミ金の口座を凍結させる場合は基本的に弁護士や司法書士に依頼するのが一般的です。

もし、どうしても自分で行うという場合は、ヤミ金とは関係ない口座を凍結させてしまわないように十分に注意する必要があります。

 

ヤミ金の利用する預金口座を凍結させる手順

ヤミ金の利用する預金口座を凍結させる手順はいたって簡単。

その対象となる銀行に「その口座が犯罪行為に利用されていること」を通知するだけです。

銀行口座の凍結の申請は通常、弁護士や司法書士が依頼を受けて行います。

弁護士や司法書士が行う場合は、「振り込め詐欺等不正請求口座情報提供及び要請書」という書面を凍結したい預金口座の対象となる銀行や警察署にFAXするのが一般的です。

「振り込め詐欺等不正請求口座情報提供及び要請書」には、凍結したい預金口座の「金融機関名」「支店名」「名義人」「口座番号」などを記載する欄が設けてあり、その項目に必要事項を記入するだけの簡単な書類です。

「振り込め詐欺等不正請求口座情報提供及び要請書」のひな形は弁護士会や司法書士会に所属する弁護士や司法書士は持っています(私も持っています)が、一般には公開されていないようです。

おそらく、前述したリスクなどを考慮することなくむやみやたらに口座凍結が行われる不利益を考えて一般的には公開されていないと思われますので、ここではひな形を公開しません。

そのため、弁護士や司法書士ではない個人がヤミ金が利用している預金口座を凍結する場合は、その銀行などの金融機関に個別に電話して、口頭で口座凍結を依頼するか、口座凍結をするための書類を送ってもらったりするほかないでしょう。

なお、銀行などにもよりますが、凍結させるためには実際にヤミ金の利用口座であることを証明する資料(具体的にはATMの振込伝票の写しなど)を添付する必要がある場合があります。

 

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