養育費や扶養料を受け取っている人が自己破産する場合の注意点

養育費や扶養料を受け取っている人が自己破産する場合には、その受け取っている養育費や扶養料についても自己破産の申立書に記載しなければなりません。

しかし、養育費や扶養料は生活に不可欠なお金ということもできますから、自己破産の手続きでどのような取扱いがなされるのか不安な面もあるはずです。

そこで、ここでは養育費や扶養料を受け取っている人が自己破産の申し立てをする場合に注意する点などについて考えてみることにいたしましょう。

なお、養育費や扶養料を「支払っている」場合の注意点は『養育費や扶養料を支払っている人が自己破産する場合の注意点』のページに記載しています。

養育費や扶養料は「資産」になるか?

まず、養育費や扶養料が自己破産の手続きにおいて自分の資産となるかという点について考えてみましょう。

例えば、離婚した夫から子供の養育費をもらっているような場合には、その養育費は自分のお金というよりも子供のためのお金と言えるでしょう。

そのような養育費を自己破産する際に「自分の資産」として裁判所に申告しなければならないとすると、子供の養育に問題が生じてしまう可能性も否定できません。

この点、自己破産の申し立てにおいては、裁判所は自己破産の申し立てをする人の全ての収入を「資産」として申告することを求めています。

そのため、養育費や扶養料についても自己破産をする人の「収入」となることに変わりありませんから、「資産」として裁判所に申告しなければならないということになっています。

養育費や扶養料は裁判所に取り上げられるか?

自己破産する人が資産を持っている場合は、基本的に裁判所が取り上げて売却し、お金に換えてから債権者に分配することになります。

この点、養育費も資産であることには変わりありませんし、法律上、養育費は差し押さえが禁止される財産でもありませんから、自己破産をする人が養育費を受けとることになっている場合には、その養育費は裁判所に取り上げられてしまうことになるでしょう。

 

もっとも、自己破産の手続きで裁判所が取り上げることが出来る「資産」は、自己破産の手続きが開始されるまでに発生する資産に限定されます。

そのため、自己破産の手続きが開始された後に受領する養育費や扶養料については、裁判所に取り上げられるという心配はありませんので、その全額を自由に使うことが可能です。

「養育費」や「扶養料」は、申立書のどの欄に記載すべきか?

自己破産の申立書は各裁判所によってその様式が異なっていますので、「養育費」や「扶養料」を記載する欄も、各裁判所によって異なると思います。

例えば、東京地裁などで使用されている申立書では「養育費」や「扶養料」を記載する欄は特に指定されていないようですので、資産目録の一番最後に設けられている「その他、破産管財人の調査によっては回収が可能となる財産」の欄に記載しておけばよいと思われます。

「その他、破産管財人の調査によっては回収が可能となる財産」の欄の記載方法についてはこちらのページを参考にしてください。

資産目録の作成手順(17)管財人が回収可能な財産の記載方法

 

これに対し、福岡地裁などで使用されている申立書では、資産説明書に独立して「養育料、慰謝料、財産分与、扶養料等」を記載する欄が設けられていますので、その欄に記載しておけばよいでしょう。

「養育料、慰謝料、財産分与、扶養料等」の欄の記載方法についてはこちらのページを参考にしてください。

資産目録の作成手順(18)養育費・慰謝料等の記載方法

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