自己破産申立書の報告書(陳述書)には「住居の状況」を記載する欄があります。
ここには、現在住んでいる住居が持家か賃貸かなどを記載することになりますが、その形態によって自己破産申立書に添付する書類も異なってきます。
ここでは、自己破産申立書の報告書(陳述書)の第1「申立人の経歴等」の第4項にある「現在の住居の状況」の欄の記載方法について考えていくことにいたしましょう。
なお、自己破産申立書の作成方法についてはこちらの目次ページから必要な書類のページに移動してご確認をお願いします。
「現在の住居の状況」の欄の様式
各裁判所によって「現在の住居の状況」の欄の様式は若干の違いがありますが、おおむね次のような様式のものになっています。
≪様式例≫
第1 申立人の経歴等
1 職歴
(省略)
2 結婚、離婚歴等
(省略)
3 同居者及び別居の親並びに子の状況
(省略)
4 現在の住居の状況(居住する家屋の形態等)
□民間賃貸住宅(賃借人=申立人)
□公営住宅(賃借人=申立人)
□持家(□一戸建・□マンション)(所有者=申立人)
□申立人以外の者(氏名 、申立人との関係 )
(の□所有・□賃貸)の家屋(無償で居住)
□その他
「現在の住居の状況」の欄の具体的な記載方法
「現在の住居の状況」の欄には、現在自分が住んでいる住居が持家なのか賃貸なのか、また賃貸ならばその名義人は誰なのかなどを記載していくことになります。
自分の名義で借りている家に住んでいる場合
例えば、賃貸マンションやアパートなどを借りている場合で、自分の名義で借りているような場合には「民間賃貸住宅」の欄にチェックを入れます。
☑民間賃貸住宅(賃借人=申立人)
また、賃貸しているマンションなどが市営住宅や県営住宅の場合は「公営住宅」の欄にチェックを入れましょう。
☑公営住宅(賃借人=申立人)
なお、シェアハウスなど複数人で借りている場合であっても通常は「借主」として家主と個別に契約していると思うので、「民間賃貸住宅」の欄にチェックを入れておけばよいでしょう。
自分以外の名義で借りている家に無償で住んでいる場合
学生などで借主の名義が親になっていたり、夫婦で住んでいて借主が自分でなく夫名義になっている家に無償で住んでいるような場合には「申立人以外の者」の欄にチェックを入れて借主の名義人の氏名とその人との関係を記載します。
例えば、父親(山田太郎)の名義で借りているマンションに住んでいる場合には、次のように記載します。
☑申立人以外の者(氏名 山田太郎 、申立人との関係 父 )
(の□所有・☑賃貸)の家屋(無償で居住)
夫(鈴木次郎)の名義で借りている借家に住んでいる場合は次のようになります。
☑申立人以外の者(氏名 鈴木次郎 、申立人との関係 夫 )
(の□所有・☑賃貸)の家屋(無償で居住)
住んでいる住居が持ち家の場合
住んでいる住居が持ち家の場合には「持ち家」の欄にチェックを入れます。
例えば、住んでいる一戸建ての家が自分の名義になっている場合には次のような記載例になります。
☑持ち家(☑一戸建て □マンション)(所有者=申立人)
なお、持ち家が共有となっている場合(たとえば夫1/2、妻1/2の共有となっているような場合)などであっても「自分の持ち家」として記載します。
その他の場合
居住実態が上記に当てはまらないような場合には、「その他」の欄にチェックを入れてその具体的な住居の状況を記載します。
例えば、友人の借りているマンションに居候している状態でその友人に家賃の何割かを支払っているような場合には、「申立人以外の者」の家屋に「有償」で居住していることになります。
前述の「申立人以外の者」の欄は「無償」で居住していう場合の欄になるので、このような場合には「その他」の欄に記載することになります。
具体的には次のように記載すればよいでしょう。
☑その他 友人(田中花子)の賃借するマンションに有償で居住している。
添付書類について
「現在の住居の状況」の欄の記載方法については以上のようになりますが、その住居の状況によって自己破産申立書に添付する書類に違いがあります。
住んでいる住居が賃貸マンションやアパート、借家の場合
住んでいる住居が賃貸マンションやアパート、借家の場合には、その賃貸借契約書の全てのページをコピー(表紙から裏表紙まで全てコピーする)して提出します。
住んでいる住居が持家の場合
住んでいる住居が持家(自分名義の一軒家・マンション)の場合には、近くの法務局で「登記事項証明書」を発行してもらって提出します。
登記事項証明書(謄本)の発行手数料は1通当たり600円です。
持ち家が一軒家の場合には「土地」と「建物」で別々の登記事項証明書が発行されますので、「土地」と「建物」の双方の登記事項証明書を提出する必要があります。
なお、添付書類のうち登記事項証明書についてはこちらのページでも解説しています。