ヤミ金は法令に違反して暴利をむさぼる犯罪者集団と言えますから、絶対に利用すべきではありません。
しかし、自己破産をしようと思っている人の中には、止むに止まれずヤミ金から借金をしてしまったという人も少なからずいることでしょう。
借金の一部に、ヤミ金からの借入がある人が自己破産をする場合には、ヤミ金も債権者の一人としてカウントし、自己破産の申立書にヤミ金を「債権者」として記載することができます。
ヤミ金の貸付は違法な貸し付けであり、ヤミ金から借りたお金は法的には返済する必要がありませんから、厳密に言えばヤミ金は「債権者」には該当しません。
しかし、ヤミ金から受け取ったお金を返す必要がなくても、ヤミ金が「お金を返せ」と請求していることは事実なのですから、ヤミ金の債権額を「0円」として債権者一覧表に記載することもできるのです。
ところで、ここで疑問に感じるのは、ヤミ金からの借入しかしていない人が自己破産をすることができるのか、という点です。
ヤミ金を自己破産の債権者として申立書に記載できるのであれば、債権者がヤミ金しかいない場合であっても自己破産をすることは出来そうです。
しかし、前述したように、ヤミ金からお金を借りた場合であっても、ヤミ金に対して返済する必要はありませんから、ヤミ金からしか借り入れがない人の債権額は、法律的に「0円」ということになります。
借金が「0円」しかないのであれば、「借金の返済が不能」となったということはできませんから、自己破産の手続きが本来「借金の返済が不能となった人を救済する手続」に鑑みても、借金が「0円」しかない人の自己破産を認めることはできないでしょう。
また、そもそもヤミ金は違法な貸し付けを行っていることは承知のうえで貸付を行っているのですから、その顧客が自己破産をしたところで請求を止めることは期待できず、ヤミ金しか借入の無い人が自己破産したところで何ら問題の解決とはならないと思われます。
このような理由から、ヤミ金からの借入しかない人が自己破産の申立を行っても、その申立が裁判所で認められる可能性はないと考えて良いでしょう。
ヤミ金からの借入がある人は、自己破産の手続では問題を解決することはできません。
ヤミ金問題の解決は、弁護士や司法書士などの法律専門家に相談し、適切な対応を取ってもらう必要があると思います。