基本的に、自己破産申立書の債権者一覧表の債務額(債権額)の欄には、債権者から提出された債権調査票に載っている金額をそのまま記載するという考え方で問題ありません。
なお、仮に破産管財人が選任され、配当の手続が行われるような場合に、その債権額に不服がある債権者は「うちの債権は利息と損害金が抜けているぞ」と債権届け出を行うことになりますので、債権者一覧表には債権者が提出してきた債権調査票に記載された金額をそのまま記載しておけばOKです。
保証会社が代位弁済している場合
銀行などからお金を借りている場合には、保証会社が保証人となっている場合があります。
そのような場合、借主である債務者が自己破産することになると保証会社が債務者に代わって銀行に借金の返済をすることになります(これを代位弁済といいます)。
保証会社が債務者に代わって代位弁済した場合には、その銀行に代わって保証会社が「債権者」となりますので、債権者一覧表の債権者の名称の欄には銀行ではなく保証会社を記載することになります。
なお、この点については、こちらのページで詳しく解説しています。
そして、このように元の債権者に代わって保証会社が代位弁済を行い、保証会社が債権者となる場合には、債権者一覧表の「債権額」の欄には、保証会社が代位弁済を行った金額を記載することになります。
保証会社が代位弁済を行った金額は、保証会社が代位弁済を行った後に債務者に送付してくる「代位弁済通知書」や、銀行など元の債権者から送られてくる「代位弁済を受けたことの通知書」に記載されているのが通常なので、その金額をそのまま記載しておけば問題ありません。
本来は、代位弁済があった後の遅延損害金も債権額として記載しなければなりませんが、計算するのは面倒ですし(はっきり言って計算方法が分かりません)、そこまでの記載は裁判所も求めてきません。
仮に自己破産する人に資産があり、配当がおこなわれることになった場合に債権額に遅延損害金も追加したい場合は、保証会社の方が債権の届け出をしてきますので、自己破産する側が申立書に記載する金額としては代位弁済通知書などに記載されている代位弁済額を記載しておけば問題ないのです。
もし、代位弁済通知書に金額が記載されていなかったり、代位弁済通知書を紛失してしまったような場合は、保証会社に直接電話して聞いてみるか、代位弁済を受けた元の債権者(銀行など)に電話で確認を取れば教えてもらえます。
ローンで購入した車やリースで借りている機材や物品がある場合
車やバイクをローンで購入している場合や、リース契約で機材などをリースしている場合には、自己破産の手続前にローン会社やリース会社がその車やバイク、リース物件を引き揚げて売却し、その売却代金をローンの残額やリース料の残額に充当することになります(これを法律用語で別除権といいます)。
この場合には、自動車ローンやリース料の残額から車やリース物件の売却代金が控除されることになりますから、その控除された残額を債権者一覧表の「債務額(債権額)」の欄に記載することになります。
引き揚げられた車やバイク、リース物件がいくらで売却されたかは、ローン会社やリース会社に電話をすれば教えてくれますので、ローン会社やリース会社から送られてきた債権調査票(債権届出書)に記載された債権額からその売却代金を差し引いた金額を「債務額(債権額)」として記載してください。
なお、ルーンで購入した車やバイク、またはリース物件がある場合の注意点についてはこちらのページで詳しく解説しています。