自己破産申立書の債権者一覧表は、債権者(お金を借りている貸金業者など)の名前・住所・電話番号・債権額(借金額)など一覧にして記載するもので、この一覧に記載した債権者の借金が最終的に免除されることになります。
この一覧に記載のない借金については免除の対象とならないので、記載漏れがないようにすることが重要です(※一部の債権者を故意に記載しないことは違法となります)。
債権者一覧表の作成のためには、まず前段階として各債権者に対して債務額がいくらあるのかなどを確認する債権調査が必要です。
そこで、ここでは自己破産の申立書で作成する債権者一覧表を作成する前段階に必要なことなどについて考えていくことにしましょう。
なお、自己破産の他の書類の作成方法についてはこちらの目次ページから必要な書類のページに移動してご確認をお願いします。
債権者一覧表の様式
債権者一覧表は一般的には次のような様式のものが多く使われているようです。
番号 | 債権者名 | 住所等 | 債務額 | 借入・購入等の日 | 使途 | 備考 | 保証人 | |
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上記の表の中に、各債権者の債権額(借金額)や借り入れを行った日などを記載していきます。
債権者一覧表を含む自己破産申立書は全国の各地方裁判所によってその様式に若干の違いがありますので、事前に自分が申し立てる予定の裁判所(住所地を管轄する裁判所)でひな形をもらっておく方がいいかもしれません。
なお、裁判所のサイトでは新潟地方裁判所で使用されている様式のものが公開されています。上記の様式とはかなり異なりますので興味がある方は確認してみてください。
債権者一覧表を作成する際に必要となるもの
債権者一覧表を作成するためには、各債権者の債権額がいくらになるのかなどを事前に調べておく必要があります。
各債権者の債権額は各債権者から取り寄せる取引履歴や債権調査票に記載されているものを書き写すことになります。
債権者が消費者金融などの貸金業者の場合
お金を借りているのが消費者金融などの貸金業者の場合には、各貸金業者に連絡して「取引履歴」と一般的に呼ばれている「これまでの借入と返済の日付と金額が全て記載されている一覧表」を取り寄せなければなりません。
貸金業者などの利率が利息制限法を超えている場合
貸金業者などの利率が利息制限法の上限金利を越えている場合は、取寄せた取引離例をもとに、制限利率に従って再計算しなければなりません。
貸金業者によっては利息制限法に従って再計算された取引履歴を送ってくれることもありますが、当初の契約どおりに利息制限法を超過した利率のままで記載されている取引履歴が送られてきた場合は、自分で再計算しなければなりません。
利息の再計算は、「利息制限法による引き直し計算ソフト」を利用すれば簡単にできますのでインターネットなどで適宜なソフトを入手して計算すれば大丈夫と思います。
なお、個人的には借金問題に詳しい弁護士さんなどが作っているこちらのサイトで配布している無料の計算ソフトが信頼性が高くオススメです。
名古屋消費者信用問題研究会
ちなみに、利息の再計算についてはこちらのページにも記載していますのでよかったらどうぞ。
自己破産を選択する基準は? | 自己破産ねっと!
債権者が銀行などの場合
債権者が銀行などの場合は取引履歴のような一覧表は送付してくれないことが多く、債権額を記載した書面の交付を請求すると
「ひな形を送付してください」
と言われることもたまにあります。
そこで、銀行や農協などの金融機関に依頼するときは「債権調査票」と呼ばれる書面を郵送(またはFAX)して返送してもらうようにした方が手っ取り早いです。
債権調査票は適宜のもので構いませんが、次のようなものが一般的に利用されているので参考にして下さい。
債権調査票 債務者氏名 屋号(または旧姓) 1 債務者に対する債権 (1) 債権の種類 (2) 債務者の地位 (3) 取引の内容 (4)債権残高 2 債務者に対する意見(破産の場合には破産又は免責に関する意見)
平成 年 月 日 ご住所
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このひな形だと、前述の債権者一覧表に記載されている「債権者名」「住所」「債権額」「借入・返済の日」「使途」「保証人」などすべての記載事項が網羅されているので、あとで債権者一覧表を作るときに分かりやすいです。
なお、債権者として債権調査票を作成する場合の書き方については、こちらのページを参考にして下さい。
▶ 債権調査票の書き方(自己破産の債権者になった場合の対処法)
債権者が友人・知人・家族など個人の場合
お金を借りているのが友人や知人などの場合も前述の銀行などの場合と同じです。
お金を借りている友人や知人などにお願いして、債権調査票に借金額などを記載してもらいましょう。
必要な書類がそろったら・・・
以上のように、債権者一覧表を作成する場合は、事前に債権者から債権調査票や取引履歴を集めたり、利息の再計算(引き直し計算)をする必要があります。
これらの資料がそろったら、その資料を見ながら債権者一覧表(債権者目録)に一つづつ記載していくこととなります。
つづきは(2)以降のページをご覧ください。