(7)借入の原因が「遊興費」の場合
借入の原因が「遊興費」の場合は「□ 遊興費」や「□ 飲食交際遊興費」の□にチェック(☑)を入れます。
裁判所の様式によっては「□ 遊興費( )」とカッコ書きの欄がある場合がありますので、このような場合はカッコの中に、その種類を記載しておきましょう。
例えば、パチンコに使ったような場合は「☑ 遊興費(パチンコ)」と記載します。
~ 使途 備考 (省略) □ 住宅ローン □ 購入 □ 生活費
□ 返済 ☑ 飲食交際遊興費
□ 保証 □ その他( )
~ 使途 備考 (省略) □ 購入 □ 生活費 □ 事業資金 □ 接待費
□ 飲食費 □ 債務返済 □ 保証 □ 名義貸し
☑ 遊興費( パチンコ )
□ その他( )
なお、「月に1回映画に行った」というような場合は、「遊興費」の欄にチェックを入れる必要はないかと思いますが、「映画中毒」のように毎月数十本から数百本も映画を見に行くような状態で、映画を見るために借金を繰り返していたような場合には「☑ 遊興費(映画)」と記載する方がよいと思います。
(8)借入の原因が「保証」の場合
借入の原因が「保証」の場合とは、誰か他の人の借金の保証人になっているような場合です(※自分の借入に保証人が付いている場合ではなく、自己破産の申立をする自分が誰かの借金の保証人になっている場合ということです)。
誰かの借金の保証人になっているような場合には、「保証」の項目にチェック(☑)を入れます。
~ 使途 備考 (省略) □ 住宅ローン □ 購入 □ 生活費
□ 返済 □ 飲食交際遊興費
☑ 保証 □ その他( )
(9)借入の原因が「事業資金」の場合
裁判所の様式によっては債権者一覧表の「使途」の欄に「事業資金」の項目がある場合があります。
自営業や会社の経営に携わっているような人で、借入の原因が「事業資金」である場合には、債権者一覧表の「使途」の欄には「事業資金」の□にチェック(☑)を入れましょう。
「事業資金」の項目がないような様式の自己破産申立書の場合には、「その他」の項目にチェック(☑)を入れて、カッコの中に「事業資金」を記載しておくといいと思います(具体的には「☑ その他(事業資金)」となります)。
~ 使途 備考 (省略) □ 住宅ローン □ 購入 □ 生活費
□ 返済 □ 飲食交際遊興費
□ 保証 ☑ その他( 事業資金 )
~ 使途 備考 (省略) □ 購入 □ 生活費 ☑ 事業資金 □ 接待費
□ 飲食費 □ 債務返済 □ 保証 □ 名義貸し
□ 遊興費( )
□ その他( )
(10)借入の原因が「名義貸し」の場合
自己破産申立書の様式によっては、債権者一覧表の「使途」の欄に「名義貸し」の項目がある場合があります。
借入の原因が「名義貸し」の場合とは、自分がその借金をしたのではなく自分以外の人間に自分の名前を貸して契約をさせ、その自分以外の人間が自分の名前で借り入れを行っているような場合を指します。
例えば、Aさんが友人Bから「サラ金でお金を借りたいんだけど、俺の収入じゃ貸してもらえないからお前の名前で契約させてくれよ」と頼まれ、友人BがAさんの名前で借金し、返済は友人Bが行っているような場合です。
このような事例でAさんが自己破産するような場合は「□ 名義貸し」の項目にチェック(☑)を入れます。
債権者一覧表の「使途」の欄に「□ 名義貸し」の項目がないような様式の場合は、「□ その他( )」の□にチェック(☑)を入れてカッコの中に「名義貸し」などと記載した方がよいでしょう。
なお、誰に名義貸ししたのか(本来の借主は誰か)がわかるように、備考の欄に名義貸しをした相手方の氏名を記載し、別途上申書を作成して名義貸しに至った経緯などを記載するようにした方が良いと思います。
~ 使途 備考 ~ (省略) □ 住宅ローン □ 購入 □ 生活費
□ 返済 □ 飲食交際遊興費
□ 保証 ☑ その他( 名義貸し )友人の山田太郎
に名義貸し
(※上申書有)~
~ 使途 備考 (省略) □購入 □生活費 □事業資金 □接待費
□飲食費 □債務返済 □保証 ☑名義貸し
□遊興費( )
□その他( )友人の山田太郎
に名義貸し
(※上申書有)
(11)「□ その他( )」の項目に記載する必要がある場合
「□ その他( )」の項目は、「生活費」や「返済」などのように独立した項目が表示されていないような場合に記載することになります。
例えば、「誰かに脅されてお金を借りた」というような場合には「☑ その他(恐喝にあった)」と記載して備考の欄に詳細を記載して上申書にその経緯を記載し、
~ 使途 備考 (省略) □ 住宅ローン □ 購入 □ 生活費
□ 返済 □ 飲食交際遊興費
□ 保証 ☑ その他( 恐喝 )〇〇交番に
被害届出済み
(※上申書有)
「手術のための借入だった」というような場合には「☑ その他(手術費用のため)」と記載し備考の欄や上申書にその手術の詳細を記載したりします。
~ 使途 備考 (省略) □ 住宅ローン □ 購入 □ 生活費
□ 返済 □ 飲食交際遊興費
□ 保証 ☑ その他( 手術 )〇〇病院にて
網膜剥離手術
(※上申書有)
債権者一覧表の「使途」の欄の具体的な記載例
例えば、A銀行・B金融・Cクレジット・D信用組合・Eローンに対する負債が、次のような原因であるとします。
債権者名 | 借金の原因となった事情 |
A銀行 | 生活費の不足を補うため借りた |
B金融 | A銀行から借りたお金の返済のため借りた |
Cクレジット | ハンドバックの購入、キャッシングでパチンコ |
D信用組合 | 友人Xのマイカーローンの保証人になっている |
Eローン | 友人の結婚式の祝儀が足らず借りた、親の手術費用にも |
この事例の債権者一覧表の「使途」の記載例は次のようになります。
債権社名 ~ 使途 備考 ~ A銀行 ~ □ 住宅ローン □ 購入 ☑ 生活費
□ 返済 □ 飲食交際遊興費
□ 保証 □ その他( )B金融 □ 住宅ローン □ 購入 □ 生活費
☑ 返済 □ 飲食交際遊興費
□ 保証 □ その他( )Cクレジット □ 住宅ローン ☑ 購入 □ 生活費
□ 返済 ☑ 飲食交際遊興費
□ 保証 □ その他( )遊興費はパチンコ D信用組合 □ 住宅ローン □ 購入 □ 生活費
□ 返済 □ 飲食交際遊興費
☑ 保証 □ その他( )友人Xの
マイカーローン
の保証人Eローン □ 住宅ローン □ 購入 □ 生活費
□ 返済 □ 飲食交際遊興費
□ 保証 ☑その他(祝儀・手術)結婚式祝儀、
親の白内障手術
費用(上申有)